2017年5月29日月曜日

東京記4

19日(金)
朝、散歩。西村さんに近所の赤塚大仏というところを案内してもらう。黒くて大きい大仏や、なぜか置いてある奪衣婆 の像などを見る。のどかな気分。
帰りに製麺所で買った麺をつかった焼きそばを、昼食にいただく。

"Salgan y de Lio"というアルゼンチンタンゴのグループのレコードを聴かせてもらう。ピアノとギターのデュオ、けっこう良い感じ。帰ったら買って聞こうかとこっそりメモする。

まだ時間があったので近所に行って近所で靴下を買ったり(あまり持って行かなかったので、洗濯せず同じ靴下を履いたりしていた。)、いろいろお世話になりっぱなしなので西村夫妻に改めてお礼のお酒を買いに行ったりした。




こんなこんなしてるうちに夕方になり四谷茶会記に車で移動。

入ると、これまでのところとはちょっと違った、静かなムードのある空間。



軽くリハをしたり、ベース用マイクのトラブルに対応したりしてるうちに共演者の星衛さんがやってくる。
打ち合わせをする。星さんは食べたくなったからと、コンビニの揚げ竹輪とコロッケを食べながらいろいろメモしている。油っこくないのかな、と思っていたら、食べ終わってうっ、としていた。几帳面なようでどこか抜けているような、腰が低いようで大胆なような、面白い人だ。

 ライブ。今回「音楽食道楽 in METROPOLIS 2017」最終ライブ。
あまりライブそのものについては語ることが思いつかないのだけど、よいお客さんたちといい時間を持ててよかったです。


 



 即興のお題を星さんに言うと、しばし考えて『奈良漬けの悶え』を選択。星さんがそれを答えると、西村さんが嬉しそうな顔をする。やっぱりやりたかったのね。




2017年5月26日金曜日

東京記3

18日(木)オフ日。この日はライブなし。

せっかくなので、国立新美術館に『ミュシャ展』を観に行った。この展覧会、関西には来ないということなので見ておきたかったのだ。
メトロで乃木坂駅まで移動。電車を降りると駅から美術館まで通路がつながっていて、みんなそっちへぞろぞろ歩いていく。通路の中でチケットを売っているので、そこで買う。

駅を出てみると、すごい行列だった。

行列は嫌いなので後悔したが、せっかく来たのに引き返すのも何だと思い、行列に並ぶ。



ミュシャ展「スラブ叙事詩」。

入った途端、でかい絵の群れに圧倒される。

でかい。そしてきれいだ。




*展覧会HPより抜粋文
「1911年、ムハ(ミュシャ)はプラハ近郊のズビロフ城にアトリエを借り、晩年の約16年間を捧げた壮大なプロジェクト《スラヴ叙事詩》に取り組みます。故郷を愛し、人道主義者でもあった彼は、自由と独立を求める闘いを続ける中で、スラヴ諸国の国民をひとつにするため、チェコとスラヴ民族の歴史から主題を得た壮大な絵画の連作を創作したのです。」


ふだん、こういう展覧会に行くときは私は展示を3回巡ることにしている。貧乏根性もあり、じっくり、たっぷり作品をしゃぶりつくしたいと思って。一回目は説明も何も見ずに自分の印象のみで見る。2回目は説明を全部読み、作者の生年から計算して何歳ぐらいに書いただろうとか、描かれた時の状況を想像しながら見る。3回目はもう一回最初の印象を確かめつつ見る。近づいたり、遠ざかったりして見る。
けれども、この日は、これだけ会場が人でぎっちりだと移動がままならない。歩くたびにどこかのおばちゃんとぶつかりそうになる。仕方なく、かろうじて2週してあきらめることにする。

…きれいだけど、意外と印象は軽いな、と思う。テーマは大きくて重いはずなのに。例えばゴッホやムンクやピカソの絵を観に行った時の、あの腹にたまる感覚がない。それは、多分ミュシャがイラスト出身の画家だから、というより、描く目的の違いなのだろうなと思う。

彼はたぶん、自分の内面を探求しようと思ってない。表現手法の向こうに新しい何かを発見しようともしてない。 ただ、夢のような 『汎スラブ世界』 の美しさを描こうとしただけなのだろう、と思う。


そうして、歴史に詳しくない私だけれども、第一次世界大戦前後にこの絵が製作された、その後のスラブ世界、つまりロシア、ウクライナ、チェコ、スロバキア、セルビアやクロアチアなどのことを思うと、何とも言えない気分になってしまった。





さて、絵を鑑賞してさらっと帰ろうとして道に迷ったりしながら、夕刻になり西村宅に帰宅。近所の呑み屋に出かけて西村夫妻と駅前の酒場で呑む。本当に毎日吞んでるなあ。



モツを焼いたものが美味しかったよ。



2017年5月25日木曜日

東京記2

17日(水)朝から風呂に入る。広い風呂は気持ちいい。
(前日は即寝落ちしたので、せっかくホテルについている風呂も何も入らなかった。)
サウナはいまいち。温度がぬるい。

散歩などをして、ぼんやり路地をながめる。



昼、西村さん家に行き、一緒に近所を散策。中華料理屋で担々麺を食べる。スープが透明な担々麵は初めて。旨い。

家に戻ってリハ。池田開渡氏現る。マスクをしている。風邪だそうで、調子悪そう。開渡氏のヴァイオリンが加わると、「秋の大統領」がえらい高級な曲になった感じがする。

夕刻、成増へ移動。再び別のカプセルホテルにチェックインした後、当日のライブ会場である「ニャランゴ」へ向かう。

ニャランゴ、不思議なおもちゃ箱のようなスペース。

店主のマヤンさんに挨拶をして、 ピアノの位置に合わせるため客席の移動などをした後、軽く音合わせ、PAセッティング。

まだ時間に余裕があるので、この日も近所の焼き鳥屋に案内してもらう。


連日呑んでばかりと言われそうだが、まあそうだったのだからしょうがない。このお店は雰囲気のあるお店で、なぜか手回し蓄音機などを見せてもらう。食べ物は味噌のつけダレが旨かった。


さてライブ。お客さんは常連さんたちなのか和やかな雰囲気。くつろいだ感じで演奏できたと思う。

即興のお題を見せると、開渡氏は、「こんな紙(即興のタイトルを書いた紙)あるって、聞いてなかったよー。 」、と言いながら『空飛ぶワカメ』を選択。ぴろぴろぴろー、と演奏。

私はワカメの背後の空を表現して演奏したつもりだったのだが、あとでお客さんからは「海を表現してましたね!」、と言われる。



2017年5月24日水曜日

東京記1

さて、先週の東京滞在のことを書きます。

先週は西村直樹氏のお誘いで、「音楽食道楽in Metropolis」ミニツアーをやっておったのです。
西村氏とは、5年ぐらい前から時々機会が合えば京都でライブをやっていたのですが、今回、「よかったら一度、東京においでよ」、と呼んでくれたのを機に、東京をライブしてまわることにしたのでした。
腰が重く、出不精な私ですが、今回は「行ってよかった!」と思いました。

ドンファン、ニャランゴ、茶会記の方々、西村さん夫妻とゲストミュージシャンの松本ちはやさん、池田開渡さん、星衛さん、そして暖かい声援を下さったお客さん皆さんに感謝してます。




以下面白いかどうかは分かりませんが、滞在時の日記風にしたためます。

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15日(月)夜、夜行バスにて京都駅から新宿へと向かう。バスの中はがらがら。隣の席に荷物をおいたりして、ゆったりできた。ただし、後ろの席のおっちゃんが足を前の方へ出していて、それがなんとなく臭いような気がしてずっと気になる。うつらうつら半眠状態で移動。

16日(火)早朝バスタ新宿着。
通路を歩くたびに雑踏が波のようにやってきて翻弄される。アコーディオンを引きずっているせいもあるが、なかなか思うように移動できない。 とりあえずベルクに行ってコーヒー飲む。うまい。

池袋に移動。ここでも雑踏に翻弄される。きっとこの人たちは違う時間軸に生きているのだ。
西村さんに連絡。1時半ごろに来てくれとのこと。
それまでの時間、サンシャインシティで開催中の「猛毒展」を見にゆく。クラゲとか、エイとか、クモとか、スカンクとか見る。

昼、富士そばで昼食。そば旨い。

西村さん宅に移動。土産などを渡して、リハ。「六法」という曲をやろうと譜面を渡される。どうもうまくノリをつかめない。ともかくなんとかアプローチを考える。

リハの後、一度大山のカプセルホテルまでチェックインに行く。階段で3Fまで上り、さらに1つ上の寝所まで移動。アコーディオン担いでなのでしんどい。カプセルに入り、夕刻まで寝る。

夕刻、大塚ドンファンへ移動。




西村さんはもう来ていた。しばらくして共演者の松本ちはやさんも到着。思ってたより若い美人の人で、ちょっとどきどきする。

ライブまでまだ時間があるので、西村さんのお誘いで近所のオススメ焼き鳥屋さんにゆく。かなり美味しいお店。くだけた雰囲気なのに洗練された味。そのまま西村さんの奥さんたちと合流しつつ、結構呑んでしまう。

ライブ本番。夢中で演奏。なのであまり覚えていない。けれど後で録音を聞きなおしてみたら、盛り上がっているところでは、かなりいい感じにイッていた。

今回、趣向として考えていったことなのだけど、あらかじめ考えたいくつかの食べ物ネタ・タイトルから選んでもらって、そのお題で即興する 、というのをやった。

[お題のリスト]

   へそに潜り込むキャビア

   月明りをすいこむクラゲの酢の物

   空飛ぶワカメ
  
   夜のさくらんぼ

   奈良漬のもだえ

   踊る納豆


この日のゲストの松本さんにタイトルを選んでくれと言って候補を渡すと、「私、偏食で…、この中に私の食べれるものってわかめぐらいしかないんですよ。うーん、でも、ここは女の子らしく。」、と言って『月明りをすいこむクラゲの酢の物』を選択。きらきらひろひろと演奏。