11月13日(日)
曇り。ぐずついた天気。
この日も早朝からごはんを食べる。馬肉カレーは、ちょっと迷ったがこの日はやめておく。昨日食べたのがまずかったわけではないが、ちょっと重いのがしんどく感じられたのだ。つまり私はそういう年頃なのだということなのだろう。
昨日飲みに行ったせいか辻野さんが食堂に降りてきていない。辻野さん抜きのメンバーで朝食を食べながら、ののこちゃんは稲垣さんと二人で昨日食べ損ねたさつまいもソフトを食べに行くと言う。元気だ。
部屋に戻って、トイレに行ってズボンを脱ごうとすると、ベルトが壊れているのに気が付く。古いベルトがプラスチック部分の劣化で部品が落ちて、止まらなくなってしまった。あわてて、近所のコンビニに行ってみて売ってないかと見てみるが売ってない。まだ洋服店の開く時間じゃないし、この日は10時にはホテルをチェックアウトしなくてはいけない。あせる。あせるがどうしようもない。道端でたちつくす。
結局購入は諦めて、ベルトをしばってズボンを固定してしのぐことにする。少々不安定だが、なんとかなりそう。
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チェクアウトをしてロビーに座っていると、ちょうど降りてきたゆうみさんに、くまモンとの写真を自分の携帯で撮ってくれと無邪気なことを頼まれる。そういう感じのことを言う人だっけかと思いながら、くまモンに寄り添う広田ゆうみの写真を撮る。
写真を撮ったところで、いつの間にかロビーの端のマッサージ機にかかっていた辻野さんが「あ゛ぁ、ええわー」と気持ちよさそうな声をあげる。ゆうみさんがびっくりしてびくりと震える。
やがて皆降りてきて、早川倉庫へ移動。辻野さんは「時間があるから行きたかった個性的な書店に行ってみる」と言うが、わざわざホテルの方に戻るのがなんだが億劫に思えて、付き合って書店に行くことはせずに、会場の隅っこに座って休む。歩ける距離なのだが、戻ると思うとしんどく思えるのはなぜだろう。客席の後ろの椅子置きスペースが暗がりになっていて落ち着くのでそこに座ってぼんやりする。
桟敷さんが近所の廃ビルらしきところと見に行ったらと勧めてくれたのでぶらぶらとひとりで散歩。ふらふら見て回り、廃れている風情を味わう。わざわざ遠方まで廃ビルめぐりに行くとかの趣味はないのだが、廃れている風情はなんとなく好きだ。(しかしこの後の夜に大牟田の繁華街のすごい廃れっぷりを見たので印象は薄くなってしまった。)缶コーヒー買って戻る。ついでに帰りに使う市電の駅をチェックしておく。
うのすけさんが、男前な口調で「今日は昼からカレー食べられるよっ!」と言ってくれたので、早めにカレーを食べる。うのすけさんのカレーはやはりいろいろな味がして旨い。マルシェエリアで食べていると、横でMC兼出演アーティストの門松さんがノートパソコンに向かい「よし…」とかつぶやきながら何やらしきりとチェックしている。真面目で勤勉な人だなと思う。
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本番前、薄暗いソデで、ののこちゃんがカーテンコール時の挨拶の段取りの順を考えてくれている。言われてみると先日終演時、池田がピアノに座ったままになってしまって、お辞儀できなかったのがちょっと変だったか。細かいけどそういうのも大事だなと思う。
2時から本番。
時間ちょっと押しで始まる。序盤で辻野さんが紙を落っことしそうになって、ひゅっ、と戻すのを見て、その姿が妙にかっこよく感じられ、これイケるんじゃないかと思う。慣れもあったのかいい具合に入り込みやすい回だったと思う。
演奏している時間のことを書くのは難しい。いつも夢の中にゐるような感覚で、気が付いたら終わっている。その都度、あれがこう来たから、こうやってとか考えてるのだがそのひとつひとつの行動が大きな波にさらわれる中およぐ手の動きのような感じで、流されてあっぷあっぷして別の何かにくるまれてる感じで、そのうちいつの間にかどこかにたどり着いている。うまくいっている時は海の中も外も景色が見える。
出番が終わるとそろっと音がしないよう気をつけながら客席後ろの暗い階段から楽屋に上がり、写真撮影。(実は皆は本番前に写真を撮っていたのだが、池田不在だったため、判戸さんが気を利かせて終演後メイク落とす前にもう一度撮ったらと誘ってくれたのだ。)下ではまだイベントが続いてるため、音のしないよう気をつけながら写真を撮る。雰囲気のある場所のおかげて面白い写真が撮れる。
終演後、うのすけさんでベアーズとかいうクラフトジンを購入、ちびちび呑む。やや荒い味わいがうまいと思う。
せっかくなのでマルシェで、いぐさコースターもいくつか購入。全体にかたづけにはいる会場を、ちょっと名残惜しく眺める。
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客出しが終わり、ちょこっとバラシを手伝ってから自分も会場を去る。
熊本駅まで市電に乗る。観光気分で乗ってみたが、乗ってみた気分はほぼ通勤バスだった。
熊本駅に着き、ちょっと呑んで行こうかとも思ったが、次のチェックインの時間もあり結局そのままJRに乗り、大牟田に向かう。
結局今回馬刺し食わなかったな、と思う。