昨日はその下見に行ってきた。
どんな企画かというと、即興・前衛系のイベント、という言い方になるイベントだと思う。
即興演奏の場合、ぱっとみた印象の新鮮さからいい演奏が産まれることもあるので、当日初めてみる方がいいかなあ…、と行くかどうか迷ったけど、結局行くことにした。
雨の日の大阪をしとしとと歩く。だいぶ暖かい季節になっていてよかった。
チラシの指示通り、駅降りて(というか、登って)すぐにあった。
外から外観を初めて見て、失礼ながらけっこうボロい感じのところだな、と思った。
でも、チラシにも書いてあるけれど、今回の企画の売りは、このビルそのものを見ることでもあるので、興味があったのだ。
なんだか古い学校の校舎みたいだな、と思いながらぶらぶら歩き、
ギャラリー展示してある2階の写真展を見た後、せっかくなので、ビルの人に挨拶をして行こうと思って、1階の応接・管理スペースらしきところにお邪魔した。
オーナーの細野さんが出てこられて、気さくな感じで、いろいろお話ししてくれた。
何でも、このビルはイベントで使われることもあるけれど、ファッション写真のバックにいい感じなので、写真とかプロモ映像によく使われるのだそう。
パソコンで、公式HPにも掲載されているプロモ映像などを見せていただいた。
なるほどなあ、こういうふうに洒落た人がいると、かっちょいい場所だなあ、と思った。
その後、話はビルそのものの作りの話題になって、いろいろと工夫されている箇所などを説明してもらった。
「ほら、こっちの玄関から見ると、柱が等間隔に見えるでしょ」
「げど、別の方向から見ると、全然等間隔じゃない。わざとそうしてあるんですよ。」
「この階段もね、奥の廊下、左は行き止まりなんですけど、
まだ続いてるようにみえるでしょ、
わざと奥をへこませて見えないようにしてあるんですよ、
狭苦しい感じにならないように。」
なるほど、言われて見ると、いちいち細かく凝っている箇所がある。けれども言われなければなかなかわからない。なんというか、さりげなすぎる凝り方だ。どちらかというと、無意識に働きかけられて、じわりとやわらかさが染み込んでくるような。
その、さりげなすぎる凝り方のおかげで、多くの人たちがこのスペースを、かっちょいい、と思うのだろうな、とも思う。
おそらくは、当日はまた別の空気感があるだろうけど、さて、演奏者として、どうこの空間を呼吸しようか。
参考:細野ビルヂングHP http://hosonobuilding.p2.weblife.me