薄暗くて何がどこにあるのかよくわからないが、雑然といろいろなものがごちゃごちゃと所かまわず置いてある。足元は、踏みどころを間違えると崩れてしまいそうに感じる。触るだけでかゆくなってしまいそうな畳を積み重ねたスペースで、ライブの準備をしているのだ。ボーカルはまだ来てないが、あと15分ぐらいでセッティングをしてしまわなければ。
持ってきたシンセを積み重ねた箱の上にどうにか固定してからRCAピンプラグをつなごうとして 、コード類の箱が見つからないことに気づく。どこに置いたっけな。暗くてよくわからない。廊下の方に探しに出る。廊下では寮生が何かの準備をしているようだ。もっとも、寮生はいつも何かの準備をしているようにも思える。
ところがさっきのシンセを置いたところに戻ってみるとシンセがなくなっている。焦ってあちこち探すが見つからない。再び廊下に出て近くの寮生に聞いてみる。寮生は親切にほかの人に聞いてみてくれる。「なんか、あっちの受付の方に持ってったみたいですよ。」と眼鏡をかけてドテラを着た女の人が言ってくれる。行方がわかったのはありがたいが、しかしなんでそんなことになったんだ。まったくもう、と思って何かおかしいのに気づく。
そうじゃない、シンセはもう使ってない。XP50はもう壊れてしまったので使ってないじゃないかとはっとして、そこで目が覚めた。
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