2018年9月16日日曜日

ワークショップ

維新派のワークショップに行ってきました。


旅する展覧会「3つの『Re』をめぐって。-維新派という地図をゆく-」
大学博物館を活用する文化芸術ファシリテーター育成講座
大阪大学総合学術博物館 主催《記憶の劇場III》
活動⑦「ドキュメンテーション/アーカイヴ」

というやつです。
肩書はなんかものものしくアートっぽいですが、要するに維新派の方々が松本雄吉氏亡き後もまだいろいろ維新派に関することをやったり残したりしていきたいな、と思ってるところに、阪大の文化活動がのっかった形でしょうか。なんとなくそういう印象を受けました。

維新派…。
思い返せば、まだ学生の頃、あまりよく知りもしないのに、何だかおもしろそうだと維新派に連絡を取り「仕込みの手伝いさせてください!」と押しかけてブースのペンキ塗りを手伝ったりしてました。ご迷惑じゃなければよかったのですが。

当時は、押しかけといてこう言ったらちょっとあれですが、維新派の芝居に正直ピンときてませんでした。「何だか不思議な空間だけど、話はよく分からないな。」と思ってました。また、会場も、なんというかでかすぎて、遠くでやってはるわ、という感じでなんとなく入り込めなかったのです。

でも、なんだかずっと気になる存在ではありました。どうやってあれを作ってるんだろうという疑問は心の奥でずっとくすぶってました。

それで今回ワークショップに応募したわけですが、いや、よかったです。
個人的な結論を先に言うと、維新派の面白さの中心はリズムなんだと思います。それが分かったのがよかった。
もちろん、場所作りから始める大規模な舞台やら、凝った衣装メイク照明スタッフワークや、モチーフ自体の面白さというか趣味の良さ、 周辺OB出店の醸し出す祝祭的な空気、すべて維新派を形作ってるとは思いますが、中心にあるのはリズムの面白さだ、と思いました。
たぶん、昔ピンとこなかったのは、話というかストーリー・ドラマがよく分からなかったのか主な原因だと思うのです。それはでも、優先順位が逆で、メインで味わうものとしてリズムがあり、背景にドラマがある、たぶんそれが維新派のありかたなんだろう、それが分からなかった。

ワークショップで、1役者としてその中にいると、ありありとそのリズムの心地よさが体に響いて、なるほど、これかというのが良くわかる。
そしてそれが分かると逆に言葉もきらめいて聞こえてくる。不思議なものです。


最後、参加者が一言ずつしゃべるところで、「あのリズムはどうやって作ってるのか?、アフリカのポリリズム辺りからもってきてるのか? それともオリジナルで考案してるのか?」と質問してみたところ、松本氏は「めっちゃ考えて作ってた」という話を聞きました。それはすごい努力だなと思うのです。
しかし、と同時に、そのリズム作りのメソッドがちゃんと解析されてないところに若干のあやうさを感じもします。アンケートで維新派の活動を残していくにはどうしたらいいか、というような項目がありましたが、そのあたりが必要なんじゃないのかな、と、アンケートには書きませんでしたが今になって思います。
「維新派かっちょいいいよね!」と誰かが思った時、「こうやれば、それっぽくなるよ!」という情報があると、文化として伝承しやすくなると思うのですが。というか、打楽器奏者の誰かが解析したりしないかなあ。やってみたら面白いと思うのだけど。

ともあれ、楽しかったです。
写真は帰りの大阪中之島の夜景。

明日は渋谷毅さんの話を聞きにいきますよ。